第156章 本当に長谷川さんの仇敵だったのか

「こんにちは、高橋先生」

中尾美希は受付に案内され、高橋由紀のオフィスへ通された。

「こんにちは。どうぞ、お掛けください」

高橋由紀は手で席を示しながら、彼女の身なりに視線を走らせる。

――さっき長谷川栞を見送ったとき、視界の端に入った女だ。

向かいの会社の面接に行ったんじゃなかったのか。

中尾美希は物おじせず、彼の向かいに腰を下ろす。テーブルの上にまだ片づけられていないコップを見て、唇の端をわずかに吊り上げた。

――これ、さっき長谷川栞が使ったものよね。

「高橋先生、実はさっき外でお見かけしました。患者さんをお送りする時の受け答えが本当にプロフェッショナルで……一目で信頼で...

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